水泳は「スポーツ」です。「スポーツ」は勝敗を競う「ゲーム」、身体活動を活発にする「運動」から成り立っているのは、よくご存知のことと思います。学校教育の現場において、成績の具体的な序列、順位を通信簿、運動会などで子供たちにつけない傾向が顕著だと聞いています。発育の途上にあり、豊かな可能性に溢れた子供たちの行為や結果に優劣をつけることが、未来ある子供たちの芽を摘み、教育指導の観点から好ましくないということからだと思います。果たしてそうなのでしょうか。
体育、そしてスポーツのことに関して言えば、それこそが子供たちの健全な成長を妨げる好ましくない短絡的で無知なる行為と言えます。
「スポーツ」の持つ知的な領域を、よく理解し、子供たちに諭してさえすれば、あらゆる場面(スポーツ以外を含む)において、子供たちに順位を与えることが、当人たちのダメージとはならず、決してマイナス/負の経験にはならないことを私は体験しています。そのためには、大切な理念を身につけておく必要があります。
競うことにおいて前提となる大切な理念、それは「スポーツマンシップ」です。その本意は「尊重」。尊重の対象は「競争相手」、「ルール」、「審判/勝敗を判断する第三者」。競争相手同士の「同意」は不要。自らが相手と自分の立場の違いを理解し、その上で相手の価値を認めることが尊重するということです。お互いがそれぞれに相手を尊重すれば、勝者、敗者同士の歪んだ優越感、劣等感など発生する余地はないのです。子供だからこそ真摯な勝負経験は有意義な学習です。
スポーツマンシップを身につけた子供たちは家庭生活、社会生活においても立場の違う他者を尊重するようになるはずです。最近連続して起きた東京、千葉で両親を自ら殺めるような悲劇的な事件は起こり得ないでしょう。
水は低きに流れ去ります。盛り上がり、大きくうねり、勢いをつけ、その流れを変えることができるのは、岩にぶつかり飛沫を散らす機会を得られる時だけです。人生の歩みも、水によく似ているのでは。
さぁ、泳ぎましょう!
ミミスイミングクラブ代表
木原光知子
(注:本文はミミスイミングクラブの会員向けメッセージになります)