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2006年09月01日
スポーツマンシップを考える
■ミミメッセージ

 この夏、話題になった2人の若い選手がいます。高校野球の斎藤佑樹選手とボクシングの亀田興毅選手です。
 斎藤選手は“ハンカチ王子”と呼ばれ、何事にも動じないクールな姿勢と礼儀正しさで一躍時の人となりました。一方、亀田選手はあれほどの実力を持っているにもかかわらず、一つの試合の判定を巡って世間から非難が集中。ほぼ同年代のふたりは世間から、対照的な注目を浴びました。どちらもスポーツ界のエリートで小さな頃から専門的な指導を受けてきたのに、この過程のどこかで指導方針に違いが生じたことから、これほどの大きな差が生まれてしまいました。その違いとはいったい何なのでしょう。ヒントは「スポーツマンシップ」という言葉のなかにあるように思います。
「スポーツマンシップにのっとり、正々堂々と力の限り戦います」
 自分を正当化せず、一生懸命戦い、そして戦ってくれた相手を尊重し、「一緒に戦ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを忘れない。1回のうれし涙の陰に100回の悔し涙を飲んできた、そんな道のりがさわやかで嘘のないスポーツドラマとなり、人々の感動を呼びます。このスポーツマンシップを体現してくれたのが斎藤選手でした。また、高校球児らしいさわやかさとインタビューなどから垣間見えるしつけの良さが、「どのようにしたらこんな男の子に育つのだろう」と世間の関心をさらに引き寄せました。
 対して、亀田選手はまったく異なる表現を見せました。とはいえ、直接の問題となった先日の試合のジャッジは審判が下したものであり、亀田選手にはなんの問題もありません。親や兄弟を思う気持ちや一生懸命練習し、努力しているところは斎藤選手も亀田選手も変わりはないのです。非難の原因はどこにあったのか。この機会に、ぜひ、亀田選手のお父様には考えてもらえたらと思います。
 力ある者がより強くなろうとしたとき、そこに求められるのは技術ではありません。精神です。この精神は必ず言葉や行動に現れます。その鍛えられた精神力で人と、または記録と戦うから、ここからドラマが生まれるのです。だから、1時間スポーツを観戦したら、観客はそこから自分の人生におけるいろんなヒントをみつけることができるのです。
 この出来事を通じて、改めて選手や指導者のみなさんにスポーツマンシップについてしっかりと考えてほしいと思いました。スポーツマンシップとは何なのか。さわやかさはどこからくるのか。相手を尊重するとはどういうことなのか。これらを常に追求し、行動していくこともまた、スポーツマンに課せられた課題なのです。
 そして、斉藤選手、亀田選手にはさらに頑張ってほしい素敵なスポーツマンとなってほしいと思った今年の夏でした。

木原光知子

(注:本文は8月のミミ倶楽部向けメッセージです)

夏の思い出づくりは母の役割
■ミミスイミングクラブ会員の皆さんへ

 近頃、夏を過ぎても真っ白な肌をしている子どもをたくさん見かけます。そんな子どもたちを見るたびに、
「いったい、この子はどんな夏を過ごしたのだろう?」
と考えてしまいます。
 夏は子どもたちをひと回りもふた回りも成長させる季節なのに、日差しを思いきり浴びて遊ぶことをしなかった子どもたちにどんな思い出が残ったのだろうか、ととても心配になってしまうのです。
 なぜこのように考えるかといいますと、夏の思い出は大人になるための大切な財産になるからです。大人になってさまざまな出来事になつかしさを感じるのは、子ども時代の経験があってこそ。そこで培った力が、大人となったときにさまざまな場面で生きてきます。
 そして、これら思い出づくりの大切な役割を果たしているのが母親です。
 かつて私は、七夕というと前日の夜から夜露を集め、その水で墨をすって願いごとを書いていました。こうして夜露を集めるときから星へのお願いが始まっていると教えてくれたのは母でした。夢中になって昆虫採集をする私に、「セミの命は短いのに、こんなにとってしまうの?」と諭してくれたのも母です。私にいろんなことを伝えてくれた母の存在は、夏の思い出に欠かせません。つまり、母親の感性が私を育ててくれたのです。
 こうしたところから考えると、母親がアイデアマンであればあるほど、子どもたちの夏はとても有意義になっていくように思います。
 お母さん、この夏、お子さんと楽しいイベントはされたましたか?
 子どもたちの「楽しかった」という言葉を何回聞いたでしょう?
 この時期、ミミスイミングクラブでは毎年5日間の水泳教室を開催しています。ここでは水泳だけではなく、人として身につけておかなければならない「おはようございます」といったあいさつや、「お願いします」「ありがとうございました」といった礼節などの指導も意識して行なっています。その効果は参加した子どもたちの表情に現れ、初日と最終日では顔つきがまったく変わります。イキイキとしてくるのです。そんな子どもたちを見て、お母さんも笑顔になります。楽しそうに語りあう親子を見るたびに、子どもたちの夏に「水」は欠かせないアイテムなのだとつくづく感じます。同時に、ただ技術を教えるだけでなく、親子で思いきり楽しむ場を提供し、子どもたちが肉体的にも精神的にもたくましくなる機会でありたいと思うのです。

ミミスイミングクラブ 代表 木原光知子
(注:本文は8月のミミスイミングクラブ会員向けメッセージです)