« 2007年02月 | TOPページ | 2007年04月 »

2007年03月01日
いくつになってもチャレンジを
■ミミメッセージ

 先月18日、東京で初の大きな市民マラソン大会「東京マラソン2007」が開催されました。テレビでも放映されましたので、観戦された方も多かったのではないかと思います。この大会で私は、“チャレンジする姿勢の大切さ”を改めて教えられました。今月はそのことについて、お話ししたいと思います。
 今回のマラソン大会には、私の知人が数名参加していました。その1人が鄭さんという64歳の女性です。上野でスポーツショップを経営している社長さんで、体型は少々どっしり型。マラソンの経験はありません。そんな鄭さんが参加を思い立ったのは、ほんの些細なことがきっかけでした。
 鄭さんの日課は毎朝のラジオ体操なのですが、ある朝、上野不忍池の会場に遅刻しそうになりました。あわてた鄭さんは、走って駆けつけます。走るというその行為自体、鄭さんにはとても珍しいことでした。「あ、私でも走れたんだわ」鄭さんは喜びました。次の日、今度は意識的に少し長い距離を走ってみます。そうしたらまた走れました。またその翌日、さらに長く走ってみます。また、走ることができました。少しずつ自信を深めていった結果、「そうだ、東京マラソンに応募してみよう」と応募して、当選。10キロのコースに参加し、1時間24分というタイムで見事に完走されたのです。
 走り抜かれたことはもちろんですが、64歳で新しいことに向かってチャレンジするその精神に、私はとても感動しました。なんとすばらしいことでしょう! 60歳という年齢を過ぎて、自分のなかの新たな可能性に挑戦するなど、なかなかできることではありません。本当に頭が下がりました。
 もう1人、有森裕子さんもやはりチャレンジした方といっていいと思います。42.195キロのマラソンは「シニイク」というくらい過酷な競技です。体中に故障を抱えた有森さんには、出場すること自体とても覚悟のいったことだと思います。にもかかわらず、この大会で自身のランナー人生を締めくくりたいと参加。途中で転んで血を流しながらも完走して5位という成績をあげました。笑顔で走り抜いた、すばらしいラストランでした。
 このお二人のように、東京マラソンには新たな可能性に挑戦したいと思った人、心に期するところがあって出場した人、運が良ければ参加できるかなと応募した人、いろんな人がいたことと思います。その誰もが行なったのが「応募する」という行為でした。実は、これ自体がすばらしい行動でした。ここからすべてが始まるからです。何か新しいものごとに挑戦してみたいと思っても、多くの人が「やったことがないから」「もう自分は年だから」など、さまざまな理由を自分のなかにみつけて、行動を起こそうとしないもの。でも、人間、やってみなければわかりません。やる前からあきらめてきたら、何も始まらないのです。また、やってみてダメなら、それはそれですっきりするというもの。すべては行動を起こすかどうか、ここにかかっているのです。2月、3月は花開く前の季節。新しいシーズンに花を咲かせるためには、種を蒔くという行動が必要です。「私には無理」と自分のなかに閉じこもっていたのでは、新しい花を咲かせることはできません。このことを改めて鄭さん、有森さんから学ばせてもらいました。
 期せずしてこの日、私はゴールとなったお台場で、日本水泳連盟の評議委員会に出席し、「常務理事待遇/特命担当、キッズ担当」という役職を拝命しました。80年にも渡る協会の歴史のなかで、女性としての初の役職です。私もまたこの新しい企画に向かって、体を動かし、チャレンジしていかなければと強く心に誓いました。
 みなさん、新しい季節です。新しい細胞が誕生する季節です。尻込みせず、あきらめず、何かに挑戦してみましょう。

木原 光知子