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2007年08月01日
美しい国「日本」を実現させるために母親のみなさんにできること
■ミミメッセージ

「いまの日本は“美しい国・日本”ではなく、“恥ずかしい国・日本”だ」こうおっしゃった方がいました。
 その言葉のとおり、国の政に携わる政治家が失言をしてしまったり、子どもたちを育てる教育者、町の安全を守る警察関係の方々が事件を起こしたり、もっとも強い信頼関係で結ばれているはずの親子間で殺人が起きたり。近頃、普通の感覚では理解できない出来事がたくさん起こっています。そういったところから考えると、確かに、“恥ずかしい国”といわれてもしかたないのかもしれません。それにしても、どうしてこうしたことが次々と起こるようになってしまったのでしょうか。そこには、やはり、教育やしつけといったものが、変わってきてしまったことが関係していると思えてなりません。
 たとえば、失言を例に考えてみましょう。先頃また、原爆や認知症にかかわることで不用意な発言をされた政治家がいましたが、これら失言というものは、相手の立場になって考えれば、容易に避けられるものばかりです。自分が嫌だ、不愉快だと感じる言葉は、やはり相手も同じように感じるものだということ、言っていいことと悪いことがあること。こうしたことを、物心ついたころから反復して教わっていればわかることだからです。これを教えるのが私たち大人であり、母親です。ところが、最近のお母さんのなかには、小さいときからかわいい、かわいい、盲目の愛情を注ぐ方が多いようにみえます。確かに、ご自身がお腹を痛めて生んだ子です。誰よりもかわいい存在でしょう。でも、だからといって、このまま、子どものわがままを許していたらどうなると思いますか? 社会に出たとき、社会常識に対処することができなくなってしまいます。つまり、当たり前のことができない。この当たり前とはなんなのか。そこを教えるのが教育であり、母親の役目なのです。母親のかけた言葉、愛情で、子どもは育っていくのです。
 私の母はとても愛情深く、私を育ててくれました。同時に、厳しく鍛えてくれる人でもあり、いまもこの母には頭があがりません。そんな母でしたから、たくさんのことを私に教えてくれました。特に忘れられないのが、中学1年のときの出来事です。静岡で開かれた水泳の記録会でした。この大会に私は母に付き添ってもらって岡山からでかけていったのですが、この記録会では残念ながら1年上の選手が日本記録をだして勝者となりました。カメラのフラッシュを浴びる選手を見て、私はその選手に負けた悔しさよりも「トップになることは、すごいことだな!」という驚きの気持ちのほうが勝っていたと思います。そんな私を見て、母が帰り道、「日本一の富士山を見て帰ろう」といいました。
「富士山が見えるね。きれいだね。でも、なんできれいなんだと思う?」
 私はじっと富士山を眺め、答えました。
「土台がしっかりして、きれいな三角形を描いているから」
 すると、母はこう続けたのです。
「そうだね。じゃあ、水泳の大会でフラッシュを浴びるためにはどうしたらいいのか、あなたにはわかるでしょう」
 負けて悔しがっている私に、ただただ「頑張れ」というのではなく、自分で考えなさい、と。そして、あのフラッシュを浴びるためには、一生懸命考え、努力し、土台をしっかりと作りなさいと教えてくれたのです。この教えは、母と2人で眺めた富士山の姿とともに、いまもはっきり私の中に残っています。
 それほど、母親という存在は子どもにとって、重要なポジションを担っているのです。だからこそ、母親のみなさんには、親として子どもを守るばかりではなく、ときとして、子どもたちのカウンセラーであってほしい。私はそう願っています。
 子どもは未来の大人です。いまの子どもたちが、将来の美しい日本を作っていくのです。そんな大切な子育てに、私も私にできることでお役に立ちたい。「水」に育てられた私にできることといえば、やはり「水育」です。
 たくさんの誘惑が待っている夏休み。そのなかで、水泳教室にちゃんと通うことが、ときには嫌だなと思うこともあるかもしれません。でも、そこを我慢して通う、通わせる。それだけでもやり通すことができたなら、きっと子どもたちには、小さな達成感が得られることでしょう。この達成感の積み重ねが、その子の人生に生きてくるのです。戦える体を作りあげるために、戦える精神を築くために、そして、いきいきとした顔で9月を迎えられるよう、残りの夏休み、お子さんと一緒に有意義な時間を過ごしてください。

ミミスイミングクラブ代表
木原光知子